稲刈りが終わった田んぼには、脱穀を終えた稲の藁が束ねられて並んでいます。
この藁はそのまま捨てるのではなく、次の季節の農作業に役立てるため、大切に乾かして保管されます。


乾燥の方法はとても素朴です。藁の束を三つほど集め、数本の藁で頭をぎゅっと結び、一か月ほど天日に任せておきます。時間をかけてじっくり乾かすことで、藁はしなやかさを保ちながら長持ちするのです。
こうして準備された藁は、別の作物を育てるための資材として活躍します。
たとえば、ブドウの木の根元に巻いて凍害を防いだり、細かく刻んで野菜畑の肥料として土に還したり。
昔から藁は、自然の循環を支える大切な資源でした。
また、かつては冬の仕事のひとつとして、この藁を編み、ござや縄を作るのが農家の日常だったといいます。
今ではそうした風景は少なくなりましたが、藁ひとつ無駄にせず暮らしに生かしていた先人の知恵に、改めて心を打たれます。
米作りそのものも、今では田植えから稲刈りまで、多くの作業が機械にゆだねられています。
けれど、かつてはそのすべてを人の手で行っていたのだと思うと、当時の大変さがしみじみと伝わってきます。
人の力を合わせるために、地域のつながりも自然と大切にされていたのでしょう。



